僕は中学生時代に剣道部でした。そこでどうしようもない力の存在を知りました。僕は同じ学年の身内の試合では負けたことがありませんでした。しかし、いつも五人の団体戦のメンバーには、先輩二人と同じ学年の小学生の頃から剣道をやっていた二人が確定していて、顧問はもう一人の枠に、僕が毎回勝っている同学年の生徒を選抜していました。それと高校の団体戦でも、かっこよくて一番個人の大会で実績がある先輩が選ばれていませんでした。佐藤さんも魔裟斗戦のように理不尽な力を目の当たりにしたことがあると思います。顧問にも何か考えがあったのか、当時はあまり深く思っていなかったのか、後になって冷静になるといろいろと考えてしまいます。佐藤さんは魔裟斗戦に限らず理不尽な目にあった過去をどう捉えていますか?

理不尽な思いをしたことによって、得たものも確かにあるはずです。魔裟斗戦の直後、広尾の打ち上げ会場にて、怒りの感情でいっぱいだった名古屋と東京の友人にお礼を言えたこと。自分のためにあれだけ怒ってくれる友人がいて、実際それだけで嬉しかった。麻布十番での二次会では、ザ・ブルーハーツの「スクラップ」をズタズタに切れた口で歌ったこと。その建物の外にあった階段に酔いつぶれて座り込んだ友人が、私の敗戦を思い返して泣きじゃくっていたこと。病院のベッドで自分の人生に絶望していた人が、理不尽な思いをしながらでも戦い続ける私を見て、生きる活力を取り戻してくれたこと。多分あそこで負けていたからこその出会いや縁もあったと思うんです。もちろん、納得していない部分は納得していないけれど、私の人生は良いことも悪いことも含めて充実しています。過去の理不尽な経験を「これで良かったんだ」とどこかで思えたら、真の意味であなたの勝利になると思うんです。綺麗事に聞こえるかもしれません。でも、私はその綺麗事を信じて人生を豊かにしていきたいと考えています。ね? あなたと会えたのも、今までの私がいるからでしょう?


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