佐藤さんには、思わず暴力を以て解決したくなるような憎くて憎くて仕方ない相手はいますか(いましたか)? また、そのような相手がいる場合どのように対処すればよいのか教えて下さい。
もちろんいます。殺してやろうかと思う相手もいました。でも、こういう気持ちの無い人っているんでしょうか? この暴力的な衝動を抑える理性をいかに保つか、が大事です。その憎い相手を殴ったとき、自分の将来へどのような悪影響を及ぼすのか。あるいは周りの人間にどれだけ迷惑をかけるのか。そういった冷静な視点を持つことができれば「やっぱりやめておこう」と思いませんか? また、暴力が他人に及ぼす残酷さを実感として知っていれば、より冷静になって。突発的な衝動に駆られての暴力事件は減らせるのかもしれません。キックをやってきてよかったと思うのは、そんな点にもあります。そう考えると、格闘技は世界平和にも繋がるんじゃないか、と私は思います。核ミサイルのボタンを「押す」とか「押さない」とかでなく、当事者同士が代表して殴り合ったら? って。