格闘家とは表現者である。鍛え上げられた肉体は雄弁に語り、極限の世界で研ぎ澄まされた思考は真実を伝える。格闘家を媒介に、リングを超えて世にある様々な商品やサービスを映像、写真、言葉を駆使して広告する「HERO PROJECT」。
昔々、ビンという名の少年がいた。ビンは物心つく前に実母を亡くしていたが、彼の父は程なくして再婚した。まだ幼い息子のためだったのかどうかはわからない。
「人間の行動を始めとするあらゆる現象がその流れの中で生起し、経験の世界から未経験の世界へと向かっていく中で、絶えず過ぎ去っていくととらえられる二度と元には戻せないもの」と、ある世界の、ある時代の、ある工場の中に張り出されていた。それを見上げていた人に、30cm程度の小人が声をかけた。
ある村に、グコーじいさんという老人がいた。90歳過ぎても山に横穴を空け、周囲を驚かせた超人である。あるとき、グコーの飼っていた豚が数頭逃げ出した。
「ペキオは口で人を動かしとるだけだがね。営業現場ではオレの方が上さ」 完璧主義で付き合いづらいペキオを、ナレオはいつしか煙たがっていた。キリッとした眼鏡をかけたペキオは、他人のミスにも厳しいが、自分のミスにも厳しく対処していた。だから面と向かって文句も言いづらかった。
古いビルの二階を洒脱に改装したフレンチ鉄板の隠れ家で、育ちの悪い二人の男が、ある反省会をしていた。すでに白ワインのボトルを一本空けている。
ある世界のある時代に、ウージーという評判の良い菓子があった。それは不思議な味をしていて、先の方が苦く、根元の方が美味かった。作り手の名は、タイキ。小柄な青年で、ほぼ休みなくウージーを作り続けていた。
あらゆるカエルの住むケールと呼ばれる街があった。 街を治めるのは、肝の座ったヒキガエル。多くのカエルからリーダーと呼ばれ、親しまれていた。 町外れの南には火の湖があり、北には水の川が流れていた。
ウジオと呼ばれる男が、アタイと呼ばれる女に恋をしていた。 アタイは嫌がる素振りを見せながら、自分が求められることに対しては喜びも感じていた。
断崖絶壁の山奥で修行を積んでいる坊主がいた。本人は「トラ」という名の猫を飼っていると言うが、一目では虎である。ただ、鳴き声は「にゃあ」だった。
ある街で『ウージー』と呼ばれる菓子が人気だった。 不思議な色で、不思議な味をしていた。 先の方が不味く、根元の方が美味かった。 量は絶妙だった。