posted : 2023/06/22

【具鷲小説とは】
作者の構想力と読者の想像力によって、顔、声、性格などを意のおもむくままに描写し、読者それぞれ独自の想像世界を構築させることを目的とする散文学。読者は、文字だけで世界を構築できることに希望を抱き、自分の想像力があれば宇宙の果てまで行けることに驚嘆する、かもしれない。
〔具鷲辞典零版〕

〜 アタイ、恋愛を語る 〜


聞いて。好きな人に会えなかったり、連絡が取れなかったりすると、アタイ、狂おしくて涙が出てくるの。
 
一人が真に幸せにできる数は、意外と少ないのかもしれない。ああ、正論は聞きたくないわよ。言われなくてもわかってるわ。理屈じゃないのよ。勝手に涙が出てくるんだから。
 
でも、一度きりの人生じゃない。泣いて暮らすも一生、笑って暮らすも一生よ。アタイも少し冷静にならないといけないわ。
 
ねえ、思い出ってどう思う? 思い出に寄りかかると余計に辛くなるっていう友だちもいるけど、思い出は大切だとアタイは思うわ。良い思い出はなるべく形に残せるといいわね。

もうすぐこの世界でも時空を旅できるようになるけど、たとえ自分が過去に戻れたって、あのときの自分の想いは、もう二度と味わうことはできない。
 
真の若返りはないのよ。若返りを図った老いた自分がいるだけよ。そう思うと、思い出って大切だと思わない?過ぎ去った日々は、もう二度と戻って来やしないわ。
 
悪いことも時間が経てば良い思い出に変わることもあるけど、どうしても悪いことは考えないようにすればいいじゃない。簡単よ。違うことを考えればいいだけよ。

過去を忘れて次に行こうとするから辛くなるのよ。もう二度と会えなくたって、嫌う必要はないわ。互いに、相手の幸せをふと願う関係性を目指したいものね。
 
暴力を振るう男はダメよ。論外よ。ひょっとこ野郎よ。誰でも過ちは犯すものだから、1度だけなら許すけど、2度やったらおしまいよ。アタイが100%悪かったとしても、おしまいよ。二度ある事は三度あるし、三度あることは一万回あると思って間違いないわ!
 
お酒を飲ませて、少しいじわるを言ってやればいいのよ。その男の器がわかるわ。逆に男は常に試されていると思えばいいのよ。みっともない真似できないでしょ。

恋愛を終わらせたいとき、わざと嫌われるように仕向ける男がいるけど、卑怯よ。そうやって積もり積もった恨みポイントが溢れて大火傷するのよ。
 
女も同じことするじゃないかって? ああ、女はいいのよ。泣く泣く嫌われるようにしているだけ。そこら辺の男と一緒にしないでちょうだい。
 
別れ際に、「今までありがとう」って上っ面で言われたこともあるけど、口だけでもいいじゃない。悪態つかれるよりは、いくらかマシよ。アタイも満面の笑みで感謝を伝えるわ。
 
逆に、いまさら本音も聞きたくないわ。付き合っているうちに話し合ってよ。最後くらいお互いを思ってきれいに別れましょ。生まれ変わったあとの出会い方も変わるはずよ。次はうまくいくかもしれないわ。
 
好きな人が多いか、嫌いな人が多いか、どっちが楽しいかっていう話よ。嫌われないように怯えて生きることとは違うから、勘違いしないでね。
 
アタイもそれなりに恋愛をしてきたわ。心変わりをしたこともあるし、同時に何人かと付き合ったこともある。ぶっちゃけ、バレなきゃいいのよ。別にいいじゃない。

誰にも迷惑かけていないわ。男は女よりもチャンスが多いんだから、つべこべ言わないで。
 
良い男で浮気しないといいけど、なかなか難しいわね。それはもはや良い男じゃない気もするわ。暴論かしら。でも、東に一歩進めば西に一歩遠ざかるのと同じよ。土台無理なのよ。気づかないのが一番。
 
不安になるけど、自分もその色気にやられちゃったんだから仕方ないわね。こんな良い男がアタイに言い寄ってきたんだから、それで吉よ。たまに涙も出るけど、恨みの涙ではないから別にいいわ。思い出が懐かしくて、狂おしくて、涙を流しているだけ。
 
ああ、今日はきれいな三日月ね。あの人が見上げている月と、アタイは同じ月を見ている。今はそれでいいわ。心は伝わるわ。
 
あら、もうこんな時間。アタイもう行かなきゃ。それじゃあまた。元気でね。
 
と、アタイは出て行った。

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