こんにちは、いつもご活躍を拝見しています。同世代の格闘家として尊敬する佐藤さんに質問です。(人生はマラソンじゃない。)というCMはご存知ですか? あのCMを見て好意的な解釈をすると、「全ての人生は素晴らしい。間違いなんてないからあなたの好きなように生きなさい。」と取れますが、僕はあのCMを見て、そんなにみんなが好き勝手に生きたら社会が不安定になるだけな気がするんです。頑張って練習をしても、みんながチャンピオンにはなれません。調子のいいことばかり言って夢ばかり与えるのではなく、レールの上を走り、ゴールすることの素晴らしさを説くバージョンのCMがあってもいいと思いませんか? 余談ですが、佐藤さんはあのCMに出演されていませんよね。なんかそっくりな人がいたので。。

すみません、そのCMはまだ見たことがありません(したがって出演もしておりません)。TVを見る機会がめっきり減ってしまったので……。さて、あなたの言う通り、頑張ればみんながみんなチャンピオンになれるわけではありません。やってきた努力が必ずしも報われるとは限りません。そして、挫折して、脱落して行く人数が多ければ多いほど、そのトップに登り詰めることの社会的な価値は高まっていくような気がします。今のキックボクシング界を見ると、同じ階級に日本チャンピオンが10人以上もいるような状態です。これでは社会的な価値が高まるはずもありません。しかしながら、どのような状態にせよ“チャンピオンベルトを巻くことができた”というのは人生でとても尊い経験になります。今のキックボクシング界は社会的な価値は低い代わりに、人生に誇りを持てる、という尊い経験ができるチャンスが多いといえます。どちらが良いんでしょうね。10人が誇りを持って世の中に飛び出すことができる業界がいいのか、社会的な価値は高まるけど、挫折して諦めてしまう人間が多い方がいいのか。難しい問題です。あなたの質問の趣旨とズレてしまいましたが、これが私の解答にさせていただきます……だってそのCM見たことがないんだもん。